中野川川のレコードホルダー(昨季:アマゴ 37.5cm ) ・香川の御夫妻から8月上旬の「恒例・北海道遠征記」が。天候には恵まれなかったようですが十分に楽しまれた様子が伺えます。本文は御夫妻の共作で,太文字 部分はMMさん(奥様) のコメントです。ベースキャンプは帯広・音更川 畔のペンションで,全日・ガイドフィッシングだったそうです。6月から8月にかけて北海道遠征なさった方々の中野川来訪時,イロイロなお話を伺いました。スローな状況で発見したライズに20数回の毛鉤キャストで良型(北海道の良型は50cmオーバー)をキャッチした広島の方や,毛鉤サイズをワンサイズ落としたら...爆釣した徳島の方や アレコレです。「北海道行きたいフィーバー」,熱が引かないこの頃です。 尚,お問い合わせ等はこのコメント欄か HPの予約アドレスまで。
中野川川の現況(PM7):天候・曇り,テラス下水位:クジラ岩の口下(+30cm),濁り2/5(着色)。PM1230から30分,強雨でチョイ水位が上昇(10cm程度),その後は平穏曇りです。 せば また。 中野川倶楽部 支配人 齊藤 光輝
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「十勝鱒釣り旅」の初日。
ロッジ近くの本流は,夜半から明け方にかけて降った雨のため,かなり増水して濁りが入っていました。そこで,この日は十勝川上流域の支流にある,大きな堰堤上のプールへ出かけることになりました。9ft5wtロッドにリーダーは4X12ft,4Xティペットを4ftほどつなぎ,#10ブラック・シケイダを結びます。浅場が広がっている右岸側から入り,15ydほど先のブレイク・オフ付近にフライを浮かべて,クルージングしてくる鱒を待つという作戦です。1時間近くたった頃,まずはHMが54cmの虹鱒をキャッチして,幸先のよいスタートとなりました。 でも,その後はクルージングする鱒がいなくなり,後が続きません。午前11時ごろになって,対岸近くで大型の鱒がライズし,そちらへ狙いを変更することにしました。
ガイドさんのアドヴァイスで,「5秒に1歩」のペースで,ゆっくりと対岸へ近づきます。流心が対岸近くにあり,流心の向こう側は,木の枝が覆いかぶさった小さなワンドを形成しています。流心の向こう側へフライを落とすとすぐにドラッグが掛かってしまうので,まずは流心の手前側へ#10ブラック・シケイダをキャストしました。ブラック・シケイダが1mほど流れたとき,ゴボッという音とともに,水面が割れました。リールを鳴らして走る鱒を,何とか流れの緩いエリアへ誘導してランディング。63cm,優しい顔立ちの雌の虹鱒でした。
ガイドさんと一緒にたくさん写真を撮って鱒をリリースすると,今度はMMの番です。先ほどと同じようにゆっくりと流心に近づき,#10ブラック・シケイダをキャストします。流心に乗ったブラック・シケイダがワンドの終わりあたりまで流れたとき,再び水面が大きく割れました。懸命のファイトで鱒を流れの緩い浅場まで引き寄せてランディング。66cm,逞しい体躯が印象的な雄の虹鱒でした。
M:「いつ出てもよし!」と自分に言い聞かせ,それでもドキドキしながらキャスト。向こうに見えている流心にやっと届いたフライを奪い取るように,勢いよく飛び出して来ました。ラインを手でたぐったりリールを使ったり,鱒とのファイトで自分の方が先に疲れてくるような時間が長く続きます。でも,ガイドさんのリードで鱒をネットに収めてほっと一息。喜びがあふれてきました。
2日目は,ロッジ近くの川の上流域へ入り,中・小型虹鱒の「数釣り」という状況になりました。夕方近くにHMが#8ブラック・シケイダでキャッチした48cmのブラウン・トラウトが,この日の最大魚でした。
3日目は,明け方の激しい雨により,また増水と濁り。他に選択肢がなく,初日と同じ堰堤上のプールを再訪しました。水温は2日前より低く,鱒の活性が低下しているようです。HMが2時間近く右岸の浅場に座り込んで15ydほど先のブレイク・オフを狙いましたが,鱒の反応はありませんでした。
ランチタイムの後は対岸近くの流心を狙いましたが,反応のない時間が続きます。午後2時を過ぎた頃,ガイドさんが上流の三日月湖のような形状のポイントで,ゆっくりとクルージングしている鱒を見つけました。10ydほどの距離までストーキングし,木の枝が被さった狭い水路に#8エルクヘア・カディスを浮かべて待ちます。ゆっくりとした流れでフライが水路を外れるたびにそっとフライを打ち直すこと数回。突如ジャボッという音とともに小さな水飛沫が上がり,フライが水面から消えました。水路に沈んだ倒木の方へ走る鱒を強引に引き止め,「力勝負」で広い浅場へ連れ出してランディング。56cm,均整の取れた体型の美しい雌の虹鱒でした。
その後,MMは対岸のワンドへキャストした#6ブラック・シケイダを流心に乗せて下流の深いプールまで送り込み,54cmの虹鱒をキャッチしました。
「十勝鱒釣り旅」の最終日は,ようやく水量も落ち着き,十勝川の上流域へ出かけました。ただ,鱒の反応は意外に渋く,良型は2人とも掛け損ねてしまう始末です。夕方近くになって,流れの速い,かなり広大なエリアへ移動しました。左岸が崖になっていてかなりの水深があり,大きな木が覆い被さっているポイントです。流心がぶつかっている崖際が鱒の付き場だということでした。MMが慎重にポイントに近づき,10数ydの距離から右カーヴ・キャスト,すかさず上流側へ大きくメンディングしてフライを崖際へ流します。1回目のライズは鱒がフライを食い損ね,2回目は水面近くでフライを見切って潜りました。フライを#2グラスホッパーに交換して,数投目。水面が大きく割れて,フライを捕らえた鱒の頭が沈みました。ロッドが大きく曲がり,重い流れに乗った鱒は一気に突っ走ります。右岸側の瀬へ走らせないように,時には強引に,ロッドをのされないように,時にはラインを出しながら,3Xティペットと5wtロッドの限界をさぐるようなファイトが続きました。少しずつ流れを下り,何とか浅場へ誘導してランディング。56cm,全身に筋肉をまとった,精悍な雄の虹鱒でした。
M:広い川幅全体を強い勢いで流れていて,立つ位置までの移動にはてこずりましたが,大物がいるという攻略が難しそうなポイントに目を奪われていました。ぎこちなかったキャストも少しずつ慣れてスムーズになり,鱒の反応が見えるようになってきました。3パターン目のフライがよい感じで流れていく様子を見守っていると,目にも留まらないようなスピードで鱒がフライを奪い取っていくのが感じられ、高く掲げたロッドにずんと重みが乗りました。それが,最初の緊張の一瞬でした。その直後からの鱒とのファイトの最中は,急流の中に立っているので足元を安定させるのも大変です。激しく重いファイトを展開する鱒に対して,「ボスは自分!」と何度も唱えました。ガイドさんのリードのおかげでようやくネットの中に鱒を収めることに成功した時には,全身がくたくたになっていました。
その後,HMも同じポイントの少し上流で50cmの虹鱒を掛けてキャッチし,有終の美を飾ることができました。
Fin
HMさんの「ボスは自分!」って,マッチョでエエですね。
ありがとう ございました。 kou